SHOCOのまいるーむ

SHOCO 化学物質過敏症(CS)と向き合いながら生活しています。 発症初期に「何がつらいのか分からなかった」経験から、 仕事・外出・人間関係など、日常の困りごとと現実的な工夫を 自分のペースで記録しています。 同じ悩みを持つ方の不安が、少しでも軽くなればうれしいです。※本記事内の商品リンクはアフィリエイトリンクを含みます。 購入はご自身の判断でお願いいたします。

それでも、私は発信をやめなかった

それでも、私は発信をやめなかった

黙っていたら、生きられなかった

 

本当は、黙っていたかった。
波風も立てたくなかったし、争いたくもなかった。
それでも私は、発信をやめませんでした。

 

目次

  1. 黙っていたかった本音

  2. 発信は攻撃ではなく「生存」だった

  3. 使っていた過去の自分がいるからこそ

  4. それでも書き続ける理由

  5. まとめ

 

1. 黙っていたかった本音

声を上げるのは、正直しんどいです。

  • 面倒な人だと思われる

  • 神経質だと言われる

  • 職場で浮く

  • 人間関係が壊れる

それでも、黙っていたら
何も守られませんでした。

 

 

2. 発信は攻撃ではなく「生存」だった

Xに書く。
行政に送る。
コメントを残す。

これは誰かを攻撃するためではありません。

生きるためでした。

「ここに、困っている人がいる」
その事実を残さないと、
なかったことにされてしまうからです。

 

 

3. 使っていた過去の自分がいるからこそ

私は、かつて香り製品を使っていました。

  • 体調が悪くなったら病院へ行く

  • 薬をもらう

  • 原因は深く考えない

だからこそわかります。

使っている人も、
加害者ではなく消費者だということ。

責めるべきなのは人ではなく、
健康被害を無視して売られ続ける仕組みです。

 

 

4. それでも書き続ける理由

発信を続ける理由は一つです。

いつか誰かが
「おかしいな」と立ち止まれるように。

「私だけじゃなかった」と
気づける人が出てくるように。

それだけで、書く意味はあります。

 

 

まとめ

声を上げるのは、強いからじゃない。
黙っていたら、生きられなかったから。

私はこれからも、
静かに、でも確かに書き続けます。

 

 

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化学物質過敏症で、一番傷ついたのは「におい」じゃなかった

化学物質過敏症で、一番傷ついたのは「におい」じゃなかった

一番傷ついたのは「におい」じゃなかった

化学物質過敏症でつらいのは、柔軟剤や洗剤のにおいだけではありません。
本当に心を削られたのは、悪気のない言葉でした。
これは、私が実際に言われて一番苦しかった言葉と、その裏側の話です。

 

 

目次

  1. よく言われた言葉

  2. なぜその言葉が傷つくのか

  3. 「治ったら」「マシになったら」が突き刺さる理由

  4. 問題は“人”ではなく“構造”だった

  5. まとめ

 

1. よく言われた言葉

化学物質過敏症だと伝えた時、こんな言葉を何度もかけられました。

  • 「気にしすぎじゃない?」

  • 「香水はいいの?」

  • 「治ったら働けるでしょ」

  • 「マシになったら考えよう」

  • 「他人の日用品に口出しできないよね」

  • 「山や田舎に行けば?」

どれも、言っている側に悪意はなかったと思います。

 

 

2. なぜその言葉が傷つくのか

これらの言葉に共通しているのは、
「今のつらさは存在しないものとして扱われる」という点です。

  • 我慢すればいい

  • 慣れればいい

  • あなたが変わればいい

そう言われているように感じました。

化学物質過敏症は、避けるしか方法がない病気です。
気合いや努力でどうにかなるものではありません。

それでも「気にしすぎ」「治ったら」と言われると、
自分の苦しみそのものを否定された気持ちになります。

 

3. 「治ったら」「マシになったら」が突き刺さる理由

特に苦しかったのはこの言葉です。

「治ったら働けるでしょ」

治る保証はありません。
しかも、原因を避けなければ悪化します。

それなのに「治ったら」という言葉は、
今は配慮しない理由として使われてしまう。

これは、当事者にとって
「今は存在していない人」と言われているのと同じでした。

 

 

4. 問題は“人”ではなく“構造”だった

私は、香り製品を使っている人を責めたいわけではありません。
実際、私自身もかつて使っていました

問題なのは、

  • 空気を共有する場所で

  • 健康被害が出ている人がいるのに

  • 「個人の好み」で片づけられてしまう構造

この構造が、当事者を孤立させます。

 

まとめ

一番つらかったのは、
においそのものよりも
「わかってもらえないこと」でした。

この言葉たちが、誰かを追い詰めていることに
気づいてもらえたらと思っています。

 

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香害は「お願い」ではありません ― 人事・行政に知ってほしい“配慮”としての考え方 ―

香害は「お願い」ではありません
人事・行政に知ってほしい“配慮”としての考え方

これはワガママではない

香害について相談すると、
よくこんな言葉を返されます。

  • 「個人の好みだから」

  • 「全員に配慮は難しい」

  • 「お願いレベルの話ですよね」

でも、これは本当に
“お願い”の話なのでしょうか。

人事や行政にこそ知ってほしいのは、
香害は嗜好の問題ではなく、
健康と安全に関わる“配慮事項”だということです。

 

目次

  1. なぜ「お願い」にされてしまうのか

  2. 香害は“個人の自由”の問題ではない

  3. 人事・行政の役割とは

  4. 配慮として扱われた時、何が変わるのか

  5. 当事者から伝えたい、たった一つのこと

 

1. なぜ「お願い」にされてしまうのか

香害の相談が「お願い」として処理されてしまう理由は、
多くの場合、次の誤解にあります。

  • におい=好みの問題

  • 見えない症状=深刻ではない

  • 少数派=我慢する側

しかし、これは
被害が“見えにくい”だけで、
存在しないわけではありません。

 

2. 香害は“個人の自由”の問題ではない

洗剤や柔軟剤は、
本人だけが使うものではありません。

  • 空気を通じて周囲に拡散する

  • 他人の体内に入り込む

  • 回避が極めて困難

つまり香害は、
空間を共有する人全員に影響する問題です。

これは
「他人の日用品に口出ししている」のではなく、
健康被害を防ぐための環境配慮です。

 

3. 人事・行政の役割とは

職場や公共空間では、
「誰か一人が我慢する」ことで成り立たせてはいけません。

人事・行政の役割は、

  • 当事者同士を対立させることではなく

  • 科学的・社会的な視点で整理し

  • 中立的に環境調整を行うこと

個人対個人の問題にせず、
制度・ルール・周知で対応することが必要です。

 

4. 配慮として扱われた時、何が変わるのか

香害を「お願い」ではなく
「配慮事項」として扱うと、次の変化が起きます。

  • 被害者が謝らなくて済む

  • 使用者も責められずに済む

  • 無用な対立が減る

実際、
自治体の啓発ポスターや
職場での周知が行われた場所では、
トラブルが減った例もあります。

 

5. 当事者から伝えたい、たった一つのこと

私たちは、
誰かを攻撃したいわけではありません。

  • 香りを完全に禁止したいわけでもない

  • 好きな人を否定したいわけでもない

ただ、
安心して呼吸できる環境で生きたいだけです。

それを
「お願い」として片付けず、
「配慮」として受け取ってほしい。

それが、人事・行政に一番伝えたいことです。

 

香害は、個人の好みの問題ではなく
環境と健康の問題です。

  • 我慢ではなく配慮

  • 個人責任ではなく社会対応

  • 対立ではなく調整

この視点を持つだけで、
多くの苦しみは防げます。

香害について「相談・行動」して、実際に変わったこと ― それでも声を上げてよかった理由 ―

香害について「相談・行動」して、実際に変わったこと
それでも声を上げてよかった理由

声を上げたら、少しだけ世界が変わった

香害の被害を受けていると、
「言っても無駄だろうな」
「揉めるだけかもしれない」
そんな気持ちになります。

私もそうでした。
実際、相談しても傷つくことの方が多かった。

それでも――
行動したことで、確かに変わったことがありました。

劇的な解決ではないけれど、
「ゼロ」ではなかった現実。
この記事では、私が行った相談と行動、
そして実際に起きた変化を書きます。

 

目次

  1. 最初は小さな相談からだった

  2. 伝え方を変えたことで起きた変化

  3. 管理会社・周囲への働きかけ

  4. すぐには変わらなかった現実

  5. それでも「行動してよかった」と思う理由

 

1. 最初は小さな相談からだった

いきなり強く訴えたわけではありません。

  • 香害についての資料を集める

  • 自分の体調変化を記録する

  • 感情的にならないよう文章を整える

まずは、
「知ってもらうこと」を目的に動きました。

香害は知らない人がほとんど。
知らなければ、配慮もできない。
そこから始めるしかありませんでした。

 

2. 伝え方を変えたことで起きた変化

以前は、
「辛い」「苦しい」という気持ちが前面に出ていました。

でも途中から、

  • 責めない

  • 命令しない

  • お願いの形にする

という伝え方に切り替えました。

「やめてください」ではなく
「ご配慮いただけると助かります」

この違いだけで、
受け取られ方が変わった場面もありました。

すべてではありません。
でも、確実に“ゼロ反応”ではなくなった。

 

3. 管理会社・周囲への働きかけ

個人で直接言うのが難しい場合、
第三者の存在はとても大きいです。

  • 管理会社に相談

  • チラシを全戸配布してもらう

  • 特定の家庭を名指ししない形で注意喚起

その結果、
柔軟剤の使用が減った時期がありました。

一時的でも、
においが弱まり、
少しだけ安心して過ごせる時間が生まれました。

 

4. すぐには変わらなかった現実

正直に言うと、
すべてが解決したわけではありません。

  • 柔軟剤は減っても、香り付き洗剤に変わった

  • 別のにおいの問題(タバコなど)が残った

  • 周囲の理解には大きな差があった

「行動すればすぐ解決」
そんな単純な話ではありませんでした。

それでも――
何も言わなかった時より、確実に違いはありました。

 

5. それでも「行動してよかった」と思う理由

一番大きかった変化は、
環境だけではありません。

  • 自分の苦しさを「なかったこと」にしなくて済んだ

  • 我慢だけが選択肢じゃないと分かった

  • 同じ経験をしている人の声に気づけた

声を上げることで、
孤立しているようで、実は一人じゃなかったと知った。

完璧な解決じゃなくても、
尊厳を守る行動だったと今は思っています。

 

香害についての相談や行動は、
必ずしもすぐ結果が出るものではありません。

それでも、

  • 知ってもらう

  • 記録を残す

  • 伝え続ける

その積み重ねが、
少しずつ環境と意識を動かします。

香害なのに、なぜ私は「我慢するしかなかった」のか ― 相談しても逃げ場がなかった現実 ―

香害なのに、なぜ私は「我慢するしかなかった」のか
相談しても逃げ場がなかった現実

なぜ、我慢するしかなかったのか

香害の話をすると、よくこう言われます。
「嫌なら窓を閉めればいい」
「我慢できないほど?」
「少し神経質なんじゃない?」

でも、実際に香害を受けた人は知っています。
我慢したくてしているわけではないことを。

洗濯も、換気も、睡眠も、食事も。
日常のすべてが壊れていく中で、
それでも「我慢するしかなかった理由」がありました。

この記事では、
なぜ私は逃げられず、耐えるしかなかったのか
その現実を正直に書きます。

 

目次

  1. 「我慢できないなら避ければいい」と言われる現実

  2. 香害は“その場を離れても終わらない”

  3. 相談しても理解されない理由

  4. 住まいは簡単に変えられない

  5. 我慢は選択ではなく、追い込まれた結果だった

 

1. 「我慢できないなら避ければいい」と言われる現実

香害について相談すると、多くの場合こう返ってきます。
「じゃあ避けたらいい」
「距離を取ればいい」

でも、香害は
自分がその場にいなくても届いてくる被害です。

自宅にいても、窓を閉めていても、
近隣で使われた柔軟剤や香り付き洗剤の成分は
空気を伝って部屋の中に入り込みます。

「避ける」という選択肢が、
最初から存在しませんでした。

 

2. 香害は“その場を離れても終わらない”

外のにおいが部屋に入り込むと、
空間そのものが汚染されます。

  • 換気したくても窓を開けられない

  • 洗濯物はベランダに干せない
     → においが移って取れなくなる(移香)から

  • 寝ていても頭痛や咳が出る

  • 食事をしても気分が悪くなる

布団を頭までかぶっても、
においは中にまで入り込んできます。

息苦しさ、頭痛、不安、恐怖、苛立ち。
それが毎日、逃げ場なく続きました。

 

3. 相談しても理解されない理由

勇気を出して相談しても、
返ってくる言葉は決まっていました。

  • 「証拠はあるの?」

  • 「他の人は大丈夫みたいだけど」

  • 「香りくらいで?」

香害は
目に見えない・数値で示しにくい被害です。

だから
「体調の問題」
「気のせい」
「個人の感じ方」
にすり替えられてしまう。

結果、
被害を受けている側だけが我慢を強いられる構造ができていました。

 

4. 住まいは簡単に変えられない

「じゃあ引っ越せばいい」とも言われます。

でも、

  • 引っ越しにはお金がかかる

  • 次の場所で被害がない保証はない

  • 実際、内見時にはにおいがしなかった

引っ越した先で、
まさかベランダが風下になり
ここまで被害を受けるとは思いませんでした。

家は気に入っている。
景色もいい。
それでも窓を開けられず、部屋を使えず、
生活が制限されていく。

住まいを変えれば解決する問題ではありませんでした。

 

5. 我慢は選択ではなく、追い込まれた結果だった

私は「我慢強い」わけでも、
「波風を立てたくなかった」わけでもありません。

  • 逃げ場がない

  • 理解されない

  • 簡単に環境を変えられない

その中で残された選択肢が
「我慢する」しかなかったのです。

これは個人の忍耐の問題ではなく、
社会の仕組みの問題だと、今は思っています。

 

香害の被害者が我慢しているのは、
弱いからでも、神経質だからでもありません。

  • 避けられない

  • 逃げられない

  • 理解されない

その結果として、
我慢するしかなかった人が大勢います。

次の記事では、
それでも相談し、行動して、何が変わったのか
実体験を書きます。

香害で奪われた日常生活|洗濯・換気・睡眠・食事ができなくなった私の体験

香害で奪われた日常生活
洗濯・換気・睡眠・食事ができなくなった私の体験

香害で奪われた日常生活

香り付き洗剤や柔軟剤による「香害」。
体調不良の話は耳にしても、生活そのものがどこまで壊れるのかは、
実際に経験しないと想像しにくいかもしれません。

私は、近隣から流れてくる香り製品の影響で、
洗濯・換気・睡眠・食事という、当たり前の日常が次々とできなくなりました。
これはその現実の記録です。

 

目次

  • 香害で「洗濯」ができなくなった理由

  • 換気したくても窓を開けられない現実

  • 香りの中で眠る恐怖と睡眠障害

  • 食事の時間が苦痛になるということ

  • 日常を失うことで起きた心の変化

 

香害で「洗濯」ができなくなった理由

洗濯物はベランダに干せず、部屋干ししかできませんでした。

理由はとても単純で、
近隣から流れてくる柔軟剤や香り付き洗剤のにおいが、
自分の洗濯物に移ってしまう(移香)から
です。

一度においが移ると、何度洗い直しても取れません。
着るたびに頭痛や咳が出るため、外干しは不可能でした。

 

換気したくても窓を開けられない現実

体調が悪いときほど、空気を入れ替えたくなります。
しかし、窓を開けるとさらに強い香りが部屋に流れ込むため、
換気ができません。

風下にあるベランダから入ってくる香りは、
短時間でも部屋中に広がり、頭痛や吐き気を引き起こしました。

 

香りの中で眠る恐怖と睡眠障害

夜、香りが充満した部屋で眠るのは本当に辛い体験でした。

  • 頭痛で眠れない

  • 布団を頭までかぶると息苦しい

  • それでもにおいが布団の中に入ってくる

恐怖・不安・苛立ちが混じった感覚で、
「この状態が続いたらどうなるのだろう」という思いが頭から離れませんでした。

 

食事の時間が苦痛になるということ

においが強い空間では、食欲がなくなります。
香りの刺激で気分が悪くなり、食事そのものが苦痛になりました。

本来、心と体を休めるはずの時間が、
耐える時間に変わってしまったのです。

 

日常を失うことで起きた心の変化

洗濯も、換気も、睡眠も、食事も制限される生活。
それは「我慢すればいい」問題ではありません。

安心できるはずの自宅が、
常に緊張し続ける場所になってしまいました。

 

香害は、体調不良だけでなく、
人の生活そのものを静かに奪っていきます。

「香りが好き」「いい匂い」
その裏側で、こうした日常を失っている人がいることを、
知ってもらえたらと思い、この記事を書きました。

【図解で理解】VOC(揮発性有機化合物)の種類と化学構造を徹底解説|ホルムアルデヒドとの違いもわかる

■ VOC(揮発性有機化合物)の種類と特徴

VOCの種類を理解したうえで、次に“なぜそれらが刺激性を持つのか”を化学構造から見ていきます。

 

VOC(揮発性有機化合物)とは

VOCとは何か

● VOC“ブイ・オー・シー”は何の略?

Volatile Organic Compounds(揮発性有機化合物) の頭文字を取ったもの。

  • Volatile(揮発性の)

  • Organic(有機の)

  • Compounds(化合物)

つまり、 “常温で空気中に飛びやすい有機化合物” という意味。

  • 住宅(建材・接着剤・塗料)

  • 家具(合板・塗装)

  • 日用品(柔軟剤・芳香剤・洗剤)

  • 家電(プラスチックのにおい)

  • 車内の新車臭

こういう“においの元”の多くがVOC。

 

VOCとは、常温で気体になりやすい有機化合物の総称で、住宅・家具・日用品から放散される。 化学物質に敏感な人は、これらの微量な成分に反応しやすい。

● 代表的なVOCと発生源

VOCの種類 主な発生源 特徴
ホルムアルデヒド 合板、接着剤、壁紙、家具 刺激臭。シックハウスの代表物質
トルエン 塗料、接着剤、印刷物 中枢神経に影響しやすい
キシレン 塗料、合成樹脂、接着剤 頭痛・めまいの原因になりやすい
エチルベンゼン スチレン樹脂、塗料 揮発性が高く、吸入しやすい
スチレン 発泡スチロール、プラスチック 新品家電・家具のにおいの原因
アセトアルデヒド タバコ、燃焼、建材 ホルムアルデヒドに次ぐ刺激性
リモネン 柑橘系香料、洗剤、柔軟剤 “香り製品”の主成分で反応しやすい
 

化学物質に敏感な人は、これらが複合的に混ざった空気に反応することが多い。

 

■ ホルムアルデヒドの放散メカニズム(専門的解説)

ホルムアルデヒドは、建材や家具に含まれる接着剤(尿素樹脂系)から放散される。
放散の仕組みは以下のように説明できる。

● ① 接着剤の化学反応で発生

合板やMDFに使われる接着剤は、硬化する過程でホルムアルデヒドを放出する。

● ② 温度・湿度で放散量が変化

  • 温度が高い → 放散量が増える
  • 湿度が高い → 放散量が増える
  • 夏場や暖房使用時に濃度が上がりやすい

● ③ 新築・リフォーム直後が最も高濃度

建材が新しいほど、ホルムアルデヒドの残留量が多い。

● ④ 放散は数ヶ月〜数年続く

完全にゼロになるわけではなく、 数年かけて徐々に減少するのが一般的。

● ⑤ 家具も大きな発生源

特に合板家具は、建材と同じ接着剤を使用しているため、
部屋に置くだけで濃度が上がることがある。

 

■ 複合暴露(ミックスエクスポージャー)の影響

化学物質に敏感な人が反応するのは、単一の物質ではなく、
”複数の化学物質が混ざった“複合暴露”であることが多い。

● ① 微量の化学物質が組み合わさると影響が増幅する

例:

  • ホルムアルデヒド × 柔軟剤の香り
  • 塗料のVOC × カビの揮発成分
  • 家具の接着剤 × 清掃剤の残留成分

単体では問題ないレベルでも、 複数が混ざると体調に影響することがある

● ② 揮発性の違う物質が“空気中で再反応”する

VOC同士が空気中で反応し、 別の刺激性物質を生むこともある
(環境化学で知られる現象)。

● ③ 自律神経が過敏化しやすい

複合暴露が続くと、

  • 頭痛
  • 倦怠感
  • 集中力低下
  • 動悸
  • 息苦しさ

など、自律神経症状が出やすくなる。

● ④ 体調の“許容量”を超えると症状が出る

人にはそれぞれ「耐えられる量(閾値)」がある。
複合暴露が続くと、この閾値を超えて症状が出る。

 

化学物質に敏感な人が増えているのは“複合的な環境変化”が原因

  • 住宅の高気密化
  • 建材・家具の化学物質
  • 香り製品の普及
  • ストレス・自律神経の乱れ
  • 複合暴露の増加

これらが重なり、敏感な人が増えていると考えられている。

 
※注意 ここからはもっと深入りした内容になります
 

VOCの化学構造(図解)

VOCは化学構造によって性質が異なり、人体への影響も変わる。

① 芳香族炭化水素(トルエン・キシレン・エチルベンゼン)

特徴

  • 刺激性が強い

  • 脂溶性が高く神経に作用しやすい

  • 塗料・接着剤・印刷物に多い

図解(化学構造イメージ)

  芳香族(ベンゼン環)
        ______
      /        \
     |  ○   ○  |
      \______/

 

② アルデヒド類(ホルムアルデヒド・アセトアルデヒド)

特徴

  • 粘膜刺激が強い

  • 新築・リフォーム直後に濃度が高くなりやすい

  • 建材・家具・タバコ・燃焼で発生

図解(化学構造イメージ)

   ホルムアルデヒド
      H–C=O
        |
        H

 

③ テルペン類(リモネン・ピネン)

特徴

  • 柔軟剤・芳香剤・アロマに多い

  • 空気中で酸化すると刺激性物質に変化

  • “香り製品で頭痛がする”原因の一つ

図解(化学構造イメージ)

   リモネン(柑橘系の香り)
   C10H16 の環状構造

 

④ ケトン類(アセトンなど)

特徴

  • 揮発性が高く吸入しやすい

  • ネイルリムーバー・洗浄剤に多い

図解(化学構造イメージ)

   アセトン
   CH3–CO–CH3

 

ホルムアルデヒドの放散曲線(図解)

ホルムアルデヒドは建材や家具に含まれる接着剤から放散される。
その放散量は時間とともに変化し、放散曲線として表される。

濃度(高)│        ▲ 初期ピーク(0〜3ヶ月)
            │       ▲▲▲
            │     ▲     ▲
            │   ▲         ▲
            │  ▲           ▲
            │ ▲             ▲
            │▲               ▲
            ├────────────────── 時間
            0   3ヶ月   1年   3年   5年

特徴

  • 新築・リフォーム直後が最も高濃度

  • 3ヶ月〜1年で緩やかに減少

  • 1〜5年は低濃度で“尾を引く”

  • 温度・湿度で再上昇することがある

 

VOCの複合暴露(ミックスエクスポージャー)の影響(図解)

化学物質に敏感な人が反応するのは、単一物質ではなく、
”複数の化学物質が混ざった“複合暴露”であることが多い。

① 相乗効果(シナジー)

VOC A(少量)
VOC B(少量)
香り成分C(少量)
--------------------
→ 合計で刺激(大)

単体では問題ない量でも、組み合わさると影響が増幅する。

② 空気中での二次生成物

リモネン(香り) + オゾン(空気中)
                 ↓
        刺激性の粒子(過酸化物)

香り製品で頭痛が起きる理由の一つ。

 

③ 許容量(閾値)を超えると症状が出る

┌───────────────┐
│ 体が耐えられる量(閾値)│
└───────────────┘
VOC A(少量)
+ VOC B(少量)
+ 香り成分C(少量)
+ カビの揮発成分(少量)
-------------------------
→ 閾値を超えると症状が出る

 

まとめ

  • VOCは化学構造によって性質が大きく異なる

  • ホルムアルデヒドは放散曲線があり、初期ピークが最も危険

  • 複合暴露は単体より強い影響を与える

  • 図解を使うことで専門的な内容でも理解しやすくなる

 

参考文献・出典


※本記事の内容は、環境省・厚生労働省・WHOなどの
公的機関が公表している資料
をもとにまとめています。  

詳しくは以下の文献をご覧ください。

  • 環境省「室内空気中化学物質のガイドライン」

  • 厚生労働省「シックハウス対策マニュアル」

  • WHO「Air Quality Guidelines」

  • 日本建築学会 論文資料

  • 『室内空気汚染と健康』(環境省監修)